だしフォト

2021.04.10

ちょっと変わったポイントカードができました

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伝所鳩のポイントカードが出来上がりました。
以前からせっかくリピートできてくれる人がいるのだから、何か少しでもお礼をしたいと思っていて、計画はずっとしていましたが実行できずにいました。
ようやく今日からお客さんにご紹介できました。

ポイントカードの紙には印画紙という写真を印刷する時に使われる紙を使っています。もちろん、写真が裏には印刷されていますが、とても中途半端な写真です。これは、89mm×127mmのよくL判と呼ばれる写真規格サイズを半分にカットして1枚のカードにしました。2枚ハンコを貯めてもらうと1枚の写真が完成します。そんなちょっと変わったポイントカードにしました。
この理由をインスタの投稿や店頭に詳しく書くと長くなってしまうので深くは説明しませんが、どうしてもどうしても書きたいので勝手にブログで説明をしようと思います。

まずは、なぜ写真用紙にしたのか。普通の紙で印刷するほうが安くて早かったりしますが、それでは他のお店でも同じです。欲しい、持ち歩いていたいと思うようなものがいいと思っていました。
デザイナーの山木さんに相談したところ、「冨樫さん、今もフィルムで写真撮ったりします?」という唐突な質問が返ってきました。そこから、写真家がいるセレクトショップが伝所鳩の特徴ではないか、と言ってくれて写真の印画紙という方向へ。「持ちたい」という思いは、割引などの自分のためでもあるけど、「誰かのためになる」というのも「持ちたい」と思う理由になる、そう山木さんが言ってくれて激しく共感し、同意しました。

今回の「誰かのため」は全国の写真屋さんです。
デジカメが主流になり、スマホでたくさん写真は撮るけどプリントまではなかなかしなくなってしまった現代。正直、私もスマホで完結することが多くなりました。しかし、以前はフィルムの現像出すと「同時プリント」といって一緒に全コマ1枚ずつL判でプリントを出していましたが、いつのまにかその回数も減ってきています。写真屋さんもさまざまな工夫をしていますが、私がいつも東京で出していた写真屋さんはしばらく行かなかった間にお店はなくなってしまっていました。
写真屋さんで扱っている印画紙は、家のプリンターで出すインクジェットの写真用紙とは違くて、水や擦れにとても強いです。色の退色もだいぶ防げます。
もし、本当に残したい写真があるならば、印画紙でのプリントをおすすめします。燃やさないかぎり、破って捨てないかぎり50年は確実に残ってくれる。
そんな写真屋さんでプリントした印画紙のポイントカード。持ってくれる人が増えれば増えるほど、印刷しにいきます。
写真家のいるお店だからこそ、写真屋さんへお金を落としたいと思った取り組みなのです。そして、最近あんまり触っていないでしょう、指紋がついちゃう印画紙を。ぜひ、あの独特な質感を久しぶりに味わってみてください。それでもし、スマホの写真をプリントしたくなったら、すっごく嬉しいです。

あと、単純にただポイントを貯めるだけのものにはしたくない、という理由があります。もちろん、貯めてもらったら値引きかノベルティをプレゼント、としていますが、そのポイントカード自体は貯まって使ってしまった途端に役目を終えてしまいます。ラッピングもそうですが、もらって開けたらそこで役目が終わってしまうので、その後別の役割に変化するものにしたくて布の巾着を用意しました。では、ポイントカードも同じく終えた後に別の役割を持たせたくて考えました。印画紙に印刷するということは、もちろん写真を印刷しないといけません。伝所鳩のある豊岡の風景を中心に写真を選びプリントしようと思いましたが、集めても写真を飾る人はすごい多いわけではない。
どうやって飾ったらいいかわからない、という意見を前聞いたことがあったのを思い出してコンプリートした人にはフレームをつけて差し上げたいと思いました。写真のL判は持ち歩くにはちょっと大きくてお財布には入りづらいのでちょど半分。1枚ではよくわからないけど、2枚集めたらポイントカードは1つの写真になりフレームに入れて飾ることで、アートになる。
これが、伝所鳩のポイントカードです。

写真屋さんで印刷された写真は伝所鳩でポイントカードになり、最終的にはまた写真の役割に戻ります。ちょっと変わった、理由が盛り盛りのカード。
自分だからこそできるものになって、すごくうれしいです。
この喜びと深い理由を伝えたくて、ものすごい長い文章になりました。
最後まで読んでくれた人はきっとこのポイントカード欲しくなるでしょう。

とはいえ、本当に最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日はこのあたりで。

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