だしフォト

2019.01.12

築地仁「母型都市」

ちょっとした偶然がありました。

今日は学生時代にお世話になった先生の個展のレセプションパーティーがありました。直接のような間接的のようなお呼び出しをもらい、友人達と伺いました。

数年前と同じギャラリーで、変わらず笑顔でいる先生が沢山の人と話をして賑わっている中、作品を見始めました。
大四ぐらいのフレームの中に、ハガキよりちょっと大きいぐらいの写真が、真っ白なオーバーマットの真ん中にスポッとはめ込まれていて、モノクロ写真の作品の印象がある先生ですが、今回はカラー写真でした。
少しアンダー(適正な明るさよりも暗い)目なトーン。
全てカラーの写真。
それでも写ってくるのは、いつまでも先生の写真で全くブレない。
何十年も写真に携わって生き続けてる人の作品の重さ。かっこよかった。ほんと。
2週目は、今回の展示内容の説明が書かれた紙を読んでから見ました。
「1984年に同タイトルのもとポラロイドギャラリーにて発表された作品より25点を展示いたします。」と。
ポラだったんだ。
4×5(10.16cm×12.70cm)のポラで撮影されたものを展示されていました。
今私が使っているポラロイドフィルムとは少し仕様が違いますが、
撮影してその場で現像が行われ、その場で作品となるということは全く変わらない。
前情報を知らずに伺ったので、偶然自分がポラロイドを使っているのもあり、すごくタイミングで心の中は大興奮でした。
それを知ってから見る作品はまた様子が違うように感じました。
そして、いつも思うのは1980年代やそれよりも前に撮影されてる作品が多くあるのに、現代と変わらないようなビジュアルの写真たち。
自分が生まれる前の都市は今とそこまで変わっていないように、その頃から都市の母体は出来上がっていたんだと思う。
先生はその都市と今も対峙し、ファインダーを覗いてはシャッターを押して世の中へ放っている。
30年以上前に撮影され当時の空気で現像された作品が、2019年にもう一度スポットが当たることができるという事実は、アナログの写真たちの強さを改めて感じる。

同じことはできないし、やっても意味がないけれど、その表現者としての姿勢と意識は真似したい。継続するという難しさは、今でも感じてると思っていたけれど、その考え自体がまだまだひよっこだなと思いました。

 

終わってからレセプションに来ていた久しぶりの友人たちとご飯へ。
同窓会のようになって楽しい時間になりました。

 

築地仁「母型都市」
会期:2019年1月12日(土)〜3月2日(土)
会場:タカ・イシイギャラリーフォトグラフィー/フィルム
106-0032 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F
日比谷線・大江戸線 「六本木駅」3番出口より徒歩8分
南北線「六本木一丁目駅」1番出口より徒歩8分
大江戸線「麻布十番駅」7番出口より徒歩8分
営業時間: 11:00 – 19:00
定休日: 日・月・祝祭日

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