だしフォト

2020.02.23

写真は写真だけでは伝わらない

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暖冬でどこも雪不足。
さらにはコロナウィルスの感染が拡大してる。
気温が下がらないから活発化している。
マスクやアルコール消毒はドラッグストアから消えてしまった。
東京オリンピックの開催年の今年は、なんだか大変だ。

いろいろなイベントも中止になっている中、
以前より注目をしている写真家、幡野広志さんの最新写真展に行ってきました。

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今回は何がなんでも行きたかった。
写真と言葉の展示だったから。
先日発売された「なんで僕にきくんだろう」という本はcakesというサイトで連載をしていた幡野さんのお悩み相談を書籍化したものでした。その発売と同時期にスタートした写真と言葉の展示。

言葉にできないことを表現するのが写真だ、って言うけれど、
本当のところ私自身、説明のない写真に全く理解ができなかったのです。
でも、写真をやっている人間としてわからないといけないから、と思い知ったかぶりをしていました。
写真家ぶっていたんだろうと今では本当につまらない意地を張っていたなぁと
思います。
そのもやもやしていたことを、素直な言葉で世の中に放ってくれた幡野さん。とても勇気をもらえたのもあり、もっといろんな言葉と写真を見たくて、毎回何か開催されることがあれば足を運びインプットしに行きます。

写真と言葉の内容もしっかりと見て、すごく満腹な内容でした。
自分が相談者ではないのに、自分にむけて話をしてくれているような、そんな錯覚になる言葉たちがたくさんでした。
きっと人間関係で悩むひとたちが、ほとんどだから。
自分にも思うことがあるんだろうなーと思いました。

そして、今回は同じぐらい展示方法に感動しました。
上下から引っ張っているワイヤーに写真と言葉のパネルをつけて見せるのは、まるで宙に浮いているようでとても幻想的でした。
足下にお気をつけ下さい、とアナウンスがあったのは、きっと展示してみてわかった注意せねばならないことだったんだろうなと思いました。
設営してみないとわからないことはたくさんある。

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写真展をするには公募展で写真展をする権利がもらえるいわゆるコンテスト的なものがある。以前応募したことが何回かあるけども、全て落選しました。
その当時は自分の作品だけにいっぱいいっぱいで、その先のことはあまり考えられていなかったと思います。学生に毛の生えたような考えでした。
ファイナリストになったら公開審査といって、多くのギャラリーと審査員の前で作品について説明をしないといけません。
作品の内容、テーマ、それによって何を言いたいか、さらに展示する時の大きさやイメージ、その手法にちゃんと理由があるかなどなど。
正直、それには耐えられるほどの内容を自分自身が考えていなかったと思います。なので今思えば落選して当然だったと思っています。
そんな話を知り合いに話すと、写真家はただ作品を撮るだけではなく、見せ方まで考えるんですね、と言われました。
今まで自然にそうやって写真の見せ方まで考えて個展などをやってきたので、意識していませんでしたが、改めて言われると撮影だけではやっていけないなーと思いました。

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それもあり、幡野さんの展示の見せ方はとても面白かったです。
言葉というのがキーワードになっているのもあり、幡野さんのコメントと共に様々な本の紹介と販売もされていたのも良いと思いました。
写真だけではなく、いろんな展示や本、映像をもっと見て自分の写真に生かしたいですね。
展示の時に買った本を最近朝に少しずつ読み、そこから仕事をはじめてます。

東京展は終わってしまいましたが、TOBICHI京都での開催が決定してますので関西方面の方は是非に。

「幡野広志のことばと写真展」
2020年2月28日(金)〜3月11日(水) (3月5日休み) 時間:12:00~19:00
入場無料
TOBICHI京都 京都府京都市下京区河原町通り四条下ル市之町251-2 寿ビルデイング5階

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