だしフォト

2021.02.20

買わなくても嬉しい

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これは4年ぐらい前から着てるお気に入りの服。
写真の左の色褪せている服が私物です。右は伝所鳩で取り扱うので仕入れた新品。お店の発信で経年変化を見せようと思い撮影したカットなんですが、あまりの変化にもともとグレーだったんじゃないかと思ってしまうほど。

この服は、長野の「わざわざ」というお店のオリジナル商品。
わざわざ行くような長野の山上にあるパンと日用品のお店です。
この「パンT」こと「パン屋のTシャツ」に出会うちょっと前ぐらいから10年着ても飽きない、ダメにならない物を少しずつ持つようにしようと思いはじめていました。
30歳を前にして、「今」から「未来」を考えるようになったんでしょう。できることから少しずつシフトしていた頃にこの服に出会いました。
経年変化を楽しみ、飽きないで長く丈夫に使えるこの服は4年たった今も愛用中です。もう、この服さえあれば今後大丈夫、って言えるぐらいこの季節は毎日のように着てます。
だからこそ、お店で取扱させてもらいたくて先日より店頭に並びました。

今日、この服を買ってくれた友人たちが気に入って違う色を買いにきてくれました。すでに良さを実感してくれたからこその追加購入。本当うれしい。
商品を渡すとき、いつもありがとう、と私が言ったあとに夫が
「是非、着倒してください。」
と言いました。その言葉に驚いたし、何よりも言われたい!と思いました。

正直、この服は安い商品ではりません。もちろん、その金額に見合った素材や技術、製品ができるまでのプロセスを知ったら妥当より安いのでは?と思うぐらい。でも、他社製品と比較したらキリないですが、安くはないです。
その金銭感覚というのは人それぞれなので、否定も肯定もしません。あくまでも個人的感想です。
ただ、今お店にある商品で食品以外のほとんどは長く、10年は使えると思うものばかりです。その物の使い方や特徴を伝えることで良さや今日の写真のように、経年変化を楽しみながら使いたい、そしてその金額に妥当だと思うからお金を落としてくれてると思っています。
だからありがとうはもちろんですが、「是非、着倒してください」という言葉は一番お客さんに伝えないといけないことだと思いました。
せっかくお金だしているんだから、長く使って変化を楽しんでほしい。
それを自信持って言えるのは自分たちが現在も愛用しているからだと思います。

そして、着倒してくれた服や靴下を見せにきてくれるだけで、使い込んでくれてる写真を見せにきてくれるだけでも良いんです。今日の友人も以前買ってくれた服を着てきてくれて、うれしくてテンションがすごい上がってしまいました。
靴下を履いてきてくれた人や、帽子を被ってインスタあげてくれた人とか、その様子を見たら、伝所鳩で買ってくれたいろんな人の毎日に寄り添って過ごしていることがわかって、お店やっててよかったと思います。
何度も言いますが、買ってくれるのはほんとに嬉しい。でも、買わなくても嬉しいんです。

もう少し商売人にならないといけないとは思うんですが、なかなかそこは長い道のりになりそうです。その頃には写真の服は薄いグレーになっているか、またはどこかで染め直しをお願いしているかもしれません。

ちょっと長くなりました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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