2022.06.20
第28回 ギフトエコノミー
本日も月曜日。
伝所鳩は定休日です。今週は企画展が一つあるので、その準備があり少し忙しい定休日になりそうです。
さて、この季節といえば、梅仕事です。
梅の産地は和歌山。東京よりは近いこともあって、結構長いことスーパーとかに並んでいます。今年最初の梅は但馬産の青梅でした。但馬産の梅なんて全然見たことなかったので、売り場にぽつんと残っていたラスト1つをいただきました。量も少なめで、最近新商品として仕入れた大川硝子さんの手さげびんがぴったり!
基本の梅シロップの作り方で現在熟成中です。
そのあとに買ったのは、ご近所の酒屋さんがお取引しているとっても立派な和歌山県産の青梅。さすがにこれは大きなびんでないと入らないので、急遽追加。
こちらはきび砂糖と氷砂糖でシロップを作ってみました。
すでに色が全然違うので、出来上がりが楽しみです。
田舎ではよくお裾分けで野菜をもらうことは多々あります。
海外でもギフトエコノミーという言葉で日本のお裾分け文化と同じことがあるそうです。ちょっと多くもらったから、あまりものだけど、というように、そのやりとりに見返りがなく、物々交換や金銭のやりとりの経済からはずれて与えることを優先するということ。
たまに、自ら「お裾分け欲しいです!それで作った何かをお返しします!」という声を聞きます。個人的には、それは自然な流れではないと思っています。そもそも、お裾分けって見返りは求めないのですから。それが、お互い言わずとして行われてたらいいのかもしれませんけど。
ちょっと違う話になりますが、最近は、地元のスーパーにある野菜も近郊農家さんからのお裾分けのような感覚になってきました。
実際、近所の農家さんが直接売りに持ってこられているので、お金は払うので、本来の意味とは違いますが、毎日お裾分けしてもらっているような、ほんとの「いただきます」を言っているようです。
来年も作ってもらいたいけど、お金がなければ続けていけない。だから、その労力にお金を払い、町を循環させたいと思うんです。
資本主義の経済がある以上、全てをおすそわけだけで回すことはなかなかできません。でも、使い分けだと思うし、誰にお金を渡すかを考えて生活をしたいです。
おすそわけとギフトエコノミーにはルールなんてありません。
自分でコントロールできるようになったら、それは意味が変わってきます。
梅しごとは、夏の暑い時期に必要な塩分を取り入れられるよう、その前の季節に仕込みましょうという自然な流れ。
本来の意味や、理由あっての流れをちゃんと見極めたいと、熟成される梅を見ながらそんなことを思った朝でした。